先達(せんだつ・せんだち)とは・・・
1.その方面で立派な仕事をして、後輩を導く人。先輩。先学。
2.修験道で、山に入って修行を行う際に指導する者。
3.先に立って導いていく人。案内者。指導者。
(※大辞林より)
つまり、四国八十八ヶ所霊場会の先達とは、「弘法大師信仰を拠り所とし、巡拝修行に勤め、さらに、模範・指導者として、四国八十八ヶ所の道案内をはじめ、巡拝道や札所寺院に関する知識を身につけ、人々を遍路へいざない、適切な指示や助言を行う役目のある人」といえるでしょう。
四国八十八ヶ所霊場会では、公認先達制度というものがあり、
筆記試験などはありませんが、一定の条件が定められています。
1.四国八十八ヶ所の札所全てを四回以上巡拝していること
2.四国八十八ヶ所の札所一ヶ寺の住職の推薦を受けること
(四国居住者は居住している県内の札所からの推薦を得なければならない)
3.先達研修会において、所定の課程を修了すること。
(次年度まで猶予はあるが欠席は認められない)
4.先達昇補について
先達→権中先達の場合 2年以上経過し、その間2回以上巡拝
権中先達→中先達の場合 2年以上経過し、その間2回以上巡拝
中先達→権大先達の場合 3年以上経過し、その間3回以上巡拝
権大先達→大先達の場合 3年以上経過し、その間3回以上巡拝
※但し、先達昇補については、年数と回数が揃えば良いというものではなく、その人が昇補に値するかどうか、申請し推薦する札所住職の判断があります。その上で、札所の属する部会及び霊場会本部の審査委員の審査を受けます
5.先達の補任・昇補に際しては、所定の礼録を納めなければならない。
しかし、1.3.5はクリアー出来たたとしても、2.の札所一ヶ寺の住職の推薦をいただくことは、容易なことではありません。
四国に住んでいる人で、札所の檀家であれば、まず問題なく推薦をしてもらえますが、四国以外の他府県から先達になりたいと思う人は・・・
例えば、住んでいる家の近くの真言宗のお寺の「講」に入って、四国八十八ヶ所を巡拝して、そのお寺から札所を紹介してもらって推薦を得る方法とか、
札所の企画する行事に参加して推薦してもらう方法とか、
がありますが、いずれにしても四国以外の人で、真言宗の宗派の檀家寺に無縁の人は、まず先達の推薦を受けることは難しいと思われます。
また、最近四国ブームで霊場札所に対して「四国八十八ヶ所霊場会公認先達」への推薦依頼が激増しているとかで、それぞれの札所は簡単には推薦してくれなくなった、と言われています。
ちなみに申請をする場合、
締め切り日は毎年8月末日で、申請書に「巡拝回数」「総会出席回数」などの必要事項を記入します。そして、上半身の写真を一枚貼付し、住民票を添付して推薦を受ける札所に提出して申請することになっています。
場合によっては巡拝回数確認のため、本人の名前を記入した『納経帳』を推薦を受ける札所に申請書と一緒に提出を求められる場合もあるそうです。
8月31日までに札所に提出された「先達昇補認定申請書」は、それぞれの札所の属する各部会(阿波部会・土佐部会・伊予部会・讃岐部会)の事務局に提出され、各部会での審議会に計られます。
各部会の審議会を通った申請書は、次に善通寺にある四国八十八ヶ所霊場会本部事務局に送られ、霊場会の審議委員会に計られます。そこで適任であると認められた方が、四国八十八ヶ所霊場会公認先達として認定許可を頂くことが出来ます。
そして、11月の中旬までに、審査結果は郵送にて本人宛てに合否の連絡がされます。
但し、認定許可をいただいた場合でも、12月上旬に善通寺で開催される『先達研修会』に必ず出席して、先達の研修を受けなければ、最終的に四国八十八ヶ所霊場会公認先達の認証資格を得ることはできません。
もし当日研修会に欠席した場合、翌年に限り申請手続きは免除され、翌年の研修会に出席すれば先達の認証資格を取得することが出来ます。
ちなみに当方は、関東在住者。家も真言宗ではありません。
ただ、思う事あり、必死に四国八十八ヶ所を巡拝していました。
すると、3回目の巡拝時に、とある札所の住職に、納経所にて
「君は今度お参りしたら先達になれる。うちのお寺から推薦するから、次回申し出なさい。」と言っていただきました。
仏様は見ています。
ただ回数を重ねるスタンプラリー的な遍路をする方は、どんなに回数を重ねても先達にはなれないでしょう・・・
もし、真剣に先達になりたいと思っている方がいらしたら、ご相談ください。
アドバイス、ご協力ができることがあるかもしれません。